長兄は高知まで先輩のヨットの電装関係を手伝いに船で向い不在。
楽しくやってるんだろうなぁ、ほな僕も楽しくやらんと!
うちの師匠から「日曜日、港の大掃除しよう!」と皆に連絡があり集合。
集合時間10時半って言ってたが、9時前にはぽつぽつ人が集まり掃除が始まる。
とはいえ、前日もされたのでゴミは少ない。
釣り餌の残りや仕掛けを拾ってあるく。
マナーの良い釣り人が協力してくれる。
みんながちょっと気遣いしてくれたらここまで汚れないんだけどね。
にわか釣り師が増える秋は本当に港が汚くなる。
掃除の後、整備時間
1件目
昨日、メールで相談受けた兄者のエンジンコントロールレバーから。
レバーと軸が舐めたらしい。
スプラインが摩耗してただの丸軸になってる。
これじゃ引っかからないわな。
処理として、
1 ロックネジを長いものにする
2 軸にくぼみをつける
3 ロックネジ先端を少し削る
これでキーのようにして取り付け。
仕掛けは十分。
キチンと動くようになった。
舐めた原因は取り付けの不具合。
ベースが内に入り過ぎている。
構造上それしか無かったんだろうけど、長年の使用に掛かりの甘いスプラインが舐めたって話。
試運転中にエンジンを覗く。
謎のカタカタ音、エンジンマウントの止めナットが一つ緩んでる。
エンジンが跳ねるとカタカタいう。
ネジ締めてOK!これでシャフト周りのビルジも減ったそうな。
2件目
自艇のタペット調整
ヘッドカバーをめくる
TDC(上死点)さがす
調整
2GM20はミッション側にタイミングマークを見る窓があるのでここで確認。
隙間は・・・規定値より少し狭いぐらいだったので今回は確認だけで終了。
マメにオイル交換しているので焼けも汚れも少なくて良かった。
蓋締めてエンジン始動でチェック。
前回整備のノズル調整の再点検、白煙ございません。
3件目
人生の先輩だけど、ヨットの弟弟子(師匠が同じ)の船整備の手伝い
僕と仲良くしてくれる方の船を買われたので面倒は見ないといけない。
ビルジが物凄くたまるそうな。
スタンチューブはグランドパッキン仕様。
ちょっと締めたら良いんじゃね?
って事で、船へ。
1秒に1滴以上の速さで落ちてる。
作業のやり方を教えながら調整。
エンジン停止時にほぼ落ちず、かつ手で回る様に調整。
あとはエンジン回して駆動させてシャフトが熱を持たなければ良し。
ほんのり温い程度だったとか。
恐らくエンジンの熱が伝わる程度でしょう。
あと、オーパイの使い方指南。
「行きたい方へ船を向け、ティラーにセットしAUTOを押す、微調整は左右スイッチで。」ただそれだけ。
まぁ、何とも大雑把ではあるが・・・使わないと身に付きません。
4件目
師匠から電話。
オーバーヒートした、セイル入港するから受け止めて!と。
師匠、先々週から少しエンジンの具合が悪くて整備し、解消したと言ってたがまたダメらしい。
とりあえずエンジンを見る。
排水は出ているがエンジン熱々!
これ、バイパスだけ水が通ってるわ。
先ずはサーモを外す。
開いたまま。
水で冷やすと閉じた。
次にインペラの出口側を外す。
手で海水ポンプ回したら水が出る。
この2点正常。
でも、サーモ穴の向こうに溜まった水が下から出てこない。
これ、経路内で詰まってるわ。
一応、ヘッド周りのパーツ持っているのでヘッド分解も視野に入れて準備。
で、サイドのジンクに少々不具合があると聞いたので先ずはそちらから見ると・・・
見事にサイドジンク周辺が塩固着。
新品のジンクが入らなかったそうな。
マイナスドライバーでコンコンと叩いたら2~3個の大きな塊が取れた。
次にワイヤーハンガーを分解・切り出し・曲げて経路を突く。
通りません・・・
カリカリしつつ、灯油ポンプでサーモ穴から水を送ってもらう。
少しづつ水が通りだした。
チョロチョロと出る。
これを何度も繰り返すうちに上から水が流れるようになった。
「ほな、サンポールで溶かしましょう」
最終手段ですが勝負は早い。
ジンクとサーモスタットを外す。
サーモカバー上にホース接続。
オルタネータ横のL型ニップルに排水ホース接続。
中は真水に入れ変わっているので、そのままサンポールを上から流す。
ある程度ホースに入ったら「コーキングノズル」で上のホースに栓をする。
これね。
117さんがくれました!流石内装整備のプロフェッショナル!
化学反応し、泡が出るが栓をする事で内圧があがり逃げ道を探し、経路内を希塩酸が走る。
暫くしたら下から泡が出てきます。
こんな感じ
10分ほどおいて、清水を流す。
またサンポール入れて栓をし、放置。
1回目とは違ったタイミングで泡が出てくる。
放置の後、また清水を流す。
3回目、可能な限りサンポールを流す。
直ぐに栓をする。
下からもサンポールの原液が出てくる。
この時に水回路のバイパスホースはしっかりと握り経路を塞ぎます。
これでサーモ上からインペラ先までの水回路が一本で繋がる。
すると化学反応で発生した泡(ガス)が一気に解放されているホースへ流れ込む。
ドバッとゴミが一度に出てきた。
真水を流しても色々混じってる。
直ぐにホースを繋ぎ、エンジン始動。
排気管から「ブシャー!」と水が出る。
皆が言います「さっきと全然ちゃうがな~」と。
サーモ無しでヘッド温度40度、ジンクとサーモ入れて44度、
エンジンルームの蓋締めたらもう少し上がるだろうけど、50度ちょっとなら安定。
ちなみに、温度計はプレゼント。
4個で1000円程度でアマゾンで買った。
センサーはヘッドのネジ穴に差し込んで割りばしで止めておくだけ(笑)
これでオーバーヒートは解消。
ヘッド剥がす気満々でしたが、まぁそれはまたいずれ。
新品のジンクもキチンと入ってこれで安心。
師匠には「あと1回2回とサンポール流しても良いと思う」とその旨を伝えて港を後にする。
業者ごっこ全開でしたが、来週はクルージングだよ!
ただのヨット乗りに戻ります。
追記
水の流れとサンポール経路と3回目に握って閉じるところ
赤がサーモ閉じた時のバイパスライン
紫が握り閉じたところ(プライヤで握ればOK)
握るとバイパスに流れず、サンポールはエンジン内を通り下に出てくる
緑はその流れ
3 件のコメント:
redsunと申します。この潮付きの取り方に大変興味がわきました。ひとつ質問があります。バイパスは都度プライヤーなどでつまみ、経路をふさいで、ヘッド内にサンポールを入れているのでしょうか?経路をふさぐタイミングが理解できませんでした。
又。ジンクおよびサーモは一旦抜いたあとに蓋を戻しという意味と理解しました。
上から下へ逆発想など気が付きませんでした。
ソルトオフという船外機用の洗浄剤で、別ポンプを回して
5時間程度強制循環して、やっていましたが、効率が悪く困っていました。
ちなみに私も修理業者ではありません。仲間の船の面倒を見る程度です。
ご教授いただければ幸いに存じます。
こんにちは、有名ブロガーさんからコメント頂き感激です。(色々勉強させて戴いております)
自分の船でやった時にバイパスを最初から閉じると発泡圧で栓が抜けてしまったので、最初はバイパス管は解放したままです。
サーモカバーのバイパスホースへの穴は小さく、いきなり希塩酸がそのまま下に流れるって事はあまりなく、
エンジンブロックへ流れてから泡となってまた吹き出してきます。
それを逃がす為にバイパス管は解放したままです。
暫くして(10分ほど)真水を流し、また同じ作業をし、ある程度経路が確保出来たらバイパス管を詰まんで経路を塞ぎ1wayで逆流させる方法にしています。
希塩酸を10分程度で真水に入れ替えるのは、なるべく剥がれたゴミを留めず早目に出すという事と、薄いと言えども酸なので金属腐食を抑える為に短時間・複数回にしています。(自分の船の時は面倒で30分放置したけど、後々気がかりで・・・師匠の船は10分ごとに入れ替えです)
安いポンプで循環も考えたのですが、今のところ逆入れで良い結果となっていますので、暫くはこの方法で行こうと考えています。
海外で販売されている「バナクルバスター」という製品はポンプ循環させていました。
かなり心惹かれましたが、高いので今のところは希塩酸9%に頼っています!
サーモとジンクは希塩酸処理中は一旦外し、キャップだけ戻すで正解です。
サーモキャップ外してダイレクトに希塩酸を入れても良いと思いますが、吹きこぼれて塗装を傷めるのが嫌なので、私はホースと栓で行っています。
またご質問があればどうぞ。
丁寧に説明頂き、ありがとうございました。理解できました。一般的にはヤンマーの純正部品のk-1
http://sea-item.shop-pro.jp/?pid=96966992
をサーモのミキシング側ホースと海水ポンプのスルハル側ホースを使い、温水38度で10倍液を作り、ポリタンクに20リッターをエンジンをかけて循環するとヤンマーの修理書にはあります。しかしこの方法ですと、温度が上昇し警報が出てしまいます。警報が出たら停止し何回か繰り返すようです
この場合サーモもインペラーもジンクも外していないのでゴムを傷めない成分のようです。お湯を使えば一時間程度で循環するようです。
私がやったのは船外機用のソルトオフを使って、バスポンプを別途付けてエンジンを掛けずにやったことがありますが、5時間程度かかりました。
サンポールは回航時などの緊急時に即効で使えて重宝しそうです。
斬新な記事を期待しています。 ありがとうございました。REDSUN
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