2019年8月31日土曜日

volvopenta 2002 waterpump rebuild (ボルボの海水ポンプ修理) 2

部品が届いたけど、工具やたたき台やパイプを考えると港に持って行くのは億劫なので、

兄者に僕の会社まで来て戴き作業開始。

先ずはベアリングをシャフトに取り付け。

ベアリング位置はシャフトエンドから39.5mmの位置とマニュアルにあるがどっちの端面?

ということで、ボディに一旦嵌めて、位置を確認し寸法を計算する。

インペラ側から39.5!

海外のフォーラムにシャフトとベアリングを冷やせば入り易いとあるが・・・

ベアリングは冷やしたら内径が小さくなるやろ?

ということで、ベアリングは冷やさず常温、シャフトはフリーザーで冷やす。

冷たくなったシャフトは0.05ぐらい小さくなったのか常温では掛からなかったシャフトの先が掛かる。

あとはプラハンマーで叩いて入れる。

シャフトが出る手前からワッシャー当ててパイプで打ち込む。


ある程度入ったら計算上、反対側の残りを確認。


もうちょっと!


組み上がりました!



ギアとスナップリングつてけ完成


ただ、良く分からないのが、この隙間。

ギア側とインペラ側との間に隙間がある。

マニュアルにはOリングが一つ。

でもこれだとシールが動いたら抜けてしまうだろ?

現に組み付け中に一回、スコ~ンと後ろに行った・・・

色々と見ていると、年式によってはこの部分にシールの動きを止める部品がある。

僕は「クラウン(王冠)」と呼んでいますが、横から見たら王冠のように突起がある。

万が一、シールが切れたらここから水が出るように隙間のあるスペーサー。

マニュアルにあるOリングは水が漏れたらシャフトを伝って反対側に行かないように

ネズミ返しの要領でOリング入れてるんやろか?としか考えられない。

とはいえ、マニュアル通り組んで水は止まるので良しとしよう。

ただ、次に組む時はゴムワッシャー厚み4ミリを入れると多分、精神衛生上安定かと。


パイプ用パッキン、先に入れてはいけません。

船に行き、組み付けして始動・・・漏れます。

ポンプのインアウトからポタポタ。

原因はボディ側にシールを入れたから。

パイプ側の根元に入れて差し込まないと水が漏れる。

というか、隙間大きすぎ。

何気にもう一枚シールを入れたらピッタリ(笑)

今までグラグラしていたパイプがキチンと座り、抜け止めのクリップもキチンとテンションが掛かる。

マニュアルにないけど、ここは2枚入れが安定だと思います。

押さえられて内外にゴムが広がるから密もあがります。

さぁ、気を取り直してエンジン始動。

完璧です!

よかったよかった!

部品代2万円で復活。

プラギアが一番高いわ!

2019年8月29日木曜日

volvopenta 2002 waterpump rebuild (ボルボの海水ポンプ修理) 1

部品が色んな所から届きました。

内容物確認していて何気に思う事・・・

これって普通のオイルシールだよね?

先ずは測定

厚み7


外径24


内径11

(ノギスで傷が入らないように緩く測っています。シャフトは12なのです)

工具通販で見ると・・・


あるやんw

普通にあるし、ダブルリップだし!

169円だし!

よくよく考えたら機構としての特殊な部品は専用設計だろうけど、

ゴム製品は汎用使って設計ってのが常套手段。

なので、汎用品で良い訳だ。

工具屋さんに頼んだり通販でこれ位の価格で買えるので、

ポンプ修理する前に都度このシールを交換すれば長持ちしますね!

次、自分のポンプ(yanmar 2GM20)を修理する時に測定してみよう!と思う。

2019年8月26日月曜日

48時間

05/03 Wiz of Oz(自艇:以下WOZ)洲本へ
1600頃 Y艇 太平洋上で水中生物に衝突、舵シャフト曲がり、舵棒折れる
05/04
0700 本日同じ港から数艇来ると聞くも帰港すべきと感じ出航
1315 WOZ 佐野入港。帰り仕度し帰宅
1447 自宅に到着
ここからハードな48時間の始まり

1457 Yより第一報。「舵破損、船体安定、元気、コース120、海保に曳航連絡請う」
1500 小笠原海保に曳航可能か連絡
1510 Y「浸水無し」
1511 小笠原海保「曳航不可」の連絡あり
1519 第三海保運用センター横浜(以下三横)より入電。小笠原からの通報で案件把握。
   横浜からの救援につき36時間以上掛かる旨受諾。
   舵の応急修理をし、自走可能か問われる。
1532 舵ブラブラ、右舷へ30度だけ舵が切れると受電(*1)
1620 三横入電「乗員の人相・年齢」を聞かれる(*2)
1638 三横入電
1608 潜水し舵修理を試みると入電
1619 舵を蹴り、左右に若干動くようになる(*3)
1620 三横に曳航依頼取り消し
1642 三横からの照会を転送「食糧・水・燃料」の残高確認
1655 食糧10日分、燃料100L、水150L 有りと入電
1703 小笠原Yさんより、どんたくネット(*4)経由で電話番号の交換、これがあとで非常に助かる。
2049 Y 衛星メール入電「機走中」連絡
これより深夜でも4時間ごとに衛星メールを発信して貰う事にした。
『4時間ごとのメールが無い場合、三横に救助要請を出す事に決める』
05/05
0029 Y 衛星メール入電
0402 Y 衛星メール入電
0705 Y 衛星メール入電
0751 Y 衛星メール入電「潮に押され艇速上がらず、その他異常なし」
0754 三横へ位置情報の報告
0807 Yより、「舵ブラブラではなく押し上げられ擦れている」と受電 *5
1146 Y 衛星メール入電
1330 Y 衛星メール入電
1537 Y 衛星メール入電
1648 Y 衛星メール入電
1754 Y 衛星メール入電「総員無事・元気・残り51NM」
1947 Y 衛星メール入電
2002 Y 衛星メール入電「ワッチ交代・シフト連絡」
2321 Y 衛星メール入電
05/06
0038 Y 衛星メール入電
0358 Y 衛星メール入電
0447 Y 衛星メール入電「日の出近く、舵取り多難」
0642 Y 衛星メール入電「電話通じず、曳航依頼願う」
0644 Y 衛星メール入電
0715 Y 衛星メール入電「残り26.4NM、午前中入港不可」
0733 Y 衛星メール入電「外洋からの曳航を依頼する、民間不可の場合海保でも」
0830 小笠原海保に連絡「三横に聞かれたし」の旨
0836 三横に連絡「船が小さいので無理」の旨
1046 三横入電
1110 小笠原Yさんと電話連絡「所有船舶が行けそう」
1153 Y 衛星メール入電「二本目の舵棒も折れた。漂流。Yさんと電話つながる」
1201 小笠原Yさん「所有船舶が曳航に出発」
1336 小笠原Yさん「あと20分でミート」
1354 Y 衛星メール入電「視認出来た」
1415 Y 衛星メール入電「曳航開始」
1700 小笠原入港

*1 かなりの波で水中の舵がブラブラしているように見えたが、実は後ろに曲がっていた。
*2 海保は「万が一」を想定し、無言回収時の人相判断をしていたのではないかと僕は思う
*3 波が穏やかになったので、足を入れ押す事で多少動いた
*4 ヨット航海者の為の無線ネットワークが3つある。シーガルネット・オケラネット・どんたくネット。その一つ。
*5 海況が回復し潜る事で現状把握。圧された舵がスターンに擦っていた

基本的に外洋に行けば、何かあった折には海保到着まで自力で耐えるしかない。
勿論、今回は浸水が無く軽微な損傷だったが、船の舵ってのは重要でコース取りが上手く出来ない。
これ、横浜から救助が来ても曳航ではなく、船体放棄で乗員だけ乗せてたんじゃないか?
というか、小笠原には30ftクラスの灯台監視船しか無いのが驚きだ!
大阪湾をかなり大きな船がプレジャーの取り締まりをしているので、そのサイズが小笠原にもあるんだろうと
思っていたが、それは甚だしい勘違い。
悪い事ばかりじゃない。
海保の運用センター、この事案を全ての職員が把握しているので、電話で担当を呼びださなくても用件を伝えればOK
位置情報は都度、衛星メールに入っているので、それを伝える。
表示が10進数でも何ら問題なし。
そして今回、Y艇には予備舵棒が積んであった。
これは僕が船の修理をドックでしている時にマスターが抱えてゴミ置き場へ。
「なにそれ?舵棒?要らんの?」と言って貰ったのをY艇に進呈していた。
まさか役に立つ日が来るとは・・・
殆ど寝ずの48時間・・・あとでガツンと来たけど、それはまた別の話で。


何より、全員無事、帰路にも着けた、そして帰ってきた。
それが何より嬉しい。


GWの話だけど、色々完了してきたので、文章にまとめておいたものを今公開する。

2019年8月19日月曜日

FindShip out of service か?

AISアプリに「Find Ship」ってのがある

AIS表示アプリは色々あるけど、GPSで自分のポジションが分かるので愛用していた。

普段、自分の船からAISの電波を出しているので、デッキ上ではスマホで確認出来て大変便利。

しかしこのクルージングで起動すると表示しない。

ヨット仲間からも同じ報告を受ける。

どうも一月前ぐらいからデータが来ないらしい。

PC版のサイトもあるのでアクセスしたが、DNSエラーが返ってくる。

どうやらサービス終了したようです。

また幾つかインストールして使い勝手の良いものを探さないと。



2019年8月18日日曜日

魔上り魔追手

17日天気は快晴!

目指すのは淡路島津名

父上が泉大津を7時に出港と聞いていたので少し早めに出航し、父上の航路上で待機。

かなり霞んでいて船が見えない。

無線は1wで繋がるのに見えない。

2マイルぐらいから見える。

合流し一路津名へ。

風は・・・真上りです。



帆機走でメインだけから、少し落しジブを出し帆走に切り替えてみる。

うん、静かで楽しい。

岩屋方面に伸ばしてからまた南下。

また真上りで津名の手前6マイルぐらいから風が変わり、もう一度セーリング。

入港しいつもの公共堤防に舫い休憩。

勿論、定番の「到着プシュッ」は忘れない。

焼肉店を予約後、津名ハイツで入浴。

17時になったので焼肉店へ。

何度も予約でいっぱいと入れなかったお店ですが、美味い!


焼肉の〆は冷麺・・・がなかったので、ラーメン食べてお腹一杯。

船に戻りエアコン入れたら睡魔が襲う。

父上がウイスキー持って遊びに来たけど、二人ともウツラウツラ。

父上も自艇に戻られ・・・ってあたりで僕の記憶は深夜まで飛びます。


翌日、4時起床。

デッキでノンビリして朝食を取り7時前に出航。



海面はキラキラしていますが・・・


靄で対岸が見えない。

台風の影響で海面はゴミだらけ。

そして風は追手。

艇速よりやや弱いぐらいだけど、ゴミがあるのであまり速度を上げられない。

魔追手であります。

風を全く感じず、汗が噴き出る。

真冬の真上りが「魔上り」、真夏の真追手は「魔追手」・・・

ゴミエリアを2時間ぐらい走りやっと綺麗な海面に。

AIS稼働していますが、衝突警報が全く出ないぐらい本船も少ない。

少し加速して風を感じる。

海面はたまに鮫がヒレを出して泳いでいる。

「ペラに何も絡まないで!」

と、願えば願う程マーフィーの法則。

途中でエンジン音が変わる。

え~嫌だなぁ・・・

後進を掛けてみる。

外れるか?

何とか音は戻ったが、2500rpm以上で少し白煙が出る。

まだ何か絡んでるなぁ。

暫く走り関空沖まで戻り何気に船尾を見ると白いヒモの様な物がダラ~と水中で伸びている。

ラダーに引っ掛かっている。

ペラに巻いたビニールか何かが外れた?

とりあえず鮫が居そうなので、潜るのは港に戻ってからにする。

と決めたが、着岸したらとてもじゃないけど潜る気になるような水色ではなかった。

次週以降に持ち越し。

11:00帰港

20分で片付けして車に乗り込み帰宅。

お盆の最後なので家族と食事し令和最初のお盆休みは終わり。

今年も三本松まで行けませんでした。

遠いですわ。


帰りはこんな感じで。




2019年8月16日金曜日

お盆休みその2

メンテ手伝いの後、帰宅し家でノンビリ。

14日は子供達とプールへ。

とはいっても、市民プールです。

子供が生まれてから何年も通っていますが、今年から一番深いプールだけで全員遊べる。

あと1~2年で「お父さん」の役目は終わりか。


翌15日は台風10号の影響下に晒されるので自宅待機。

何もする事が無いお盆は久しぶりだ。

クルージングに行くか仕事しているかだったし。


16日、目覚めると台風は過ぎた後。

直ぐに港に足を向ける。

翌日の出航準備をし、お隣の関空マリーナへ。

お友達の49ftにお邪魔し、エアコンの効いた船内でビールを戴き談笑^^

大きなヨットはええなぁ!

僕の財力では購入も維持も出来ないが、「欲しい」とは思う。

港に戻ると次兄がデッキ作業中。

少し手を借りてジブのセット。

お風呂→焼き鶏で明日に備え船で寝る。

2019年8月14日水曜日

お盆休みその1

今年は練りに練って、航海計画を立てた。

メンバーとも連絡取りあって、あとは仕事終われば出発!って感じでしたが

残念ながら台風10号の到来で中止です。

無理はいけない。

で、13日は台風対策。

ジブセイルを外し、増し舫い。

オーニングも外しておいた。

まぁ、兄者と二人してやれば各艇15分の作業。

その他、同じ港の人の増し舫いを頼まれていた分をやったり・・・

で、兄者から

「実は冷却水出ないんや」と。

ばらそうか・・・

だって他にする事無いし。

先ずはインペラから先に水が来ているかどうか見る。

ウォーターポンプ(WP)の先で配管を外し燃料を止めた状態でセルを回す。

出てませんね。

インペラがスリップしてるのか?

でも半年前に交換したと。

とりあえず新品に交換。

あかん・・・まだ出てこない。

インペラケースの蓋を外した状態でもう一度回す。

回らない。

あれ?これって駆動してないんじゃない?

VOLVO2002のWPはギア駆動、ヤンマーみたいにベルト駆動じゃないんだよね。

兄者がお持ちのパーツリストを見る。

先代オーナーさんに貰ったらしい。

さて・・・




なるほどこうなっているのか・・・

いや、なんか色々書きこんである。

もしかして、前にも交換した?

ヤンマーも何年かに1回はシール関係を交換しないと水漏れするんだけど、ギアを交換か。

もしかしてギアの摩耗で回っていない?

パーツリストがあれば基本的に構造が分かるので直ぐに分解。

ただし、少し工具の準備が必要。

前置きなので長いエクステつかったソケットレンチが入らない。

ラチェットメガネ、持っていて良かったです。

で、分解して確認。

ギアは・・・


おぅ・・・割れているではないか!というかプラギアなのね。

そしてギアを回そうにも回らない。

謎の固着。

これだけ油で濡れているのに。

スナップリングを外し、シャフトを抜く。


おお、ものの見事にベアリングが固着している。

丸穴に入っていたギアの周り止めのピンもなかなか抜けなかった。

全体的に錆びている。

という事は・・・

シールがやられて少しづつ海水が入ったという事だろう。

このギアボックス自体に大量に油は入っていなかった。

恐らくギアから少量のオイルが垂れてくるんだろ。

シャフトもかなり摩耗している。

原因として考えられるのは、

1 シールの摩耗
2 海水が入る
3 ベアリングが錆びる
4 固着する
5 プラギア破損

恐らくこんな感じ。

そりゃそうと、パーツあるんか?

パーツ表で検索したらリペアキットなるものがあったが、どうやらアウトオブサービス。

廃番のようだ。

駄菓子菓子、だがしかし、そんな時はebay

外通に頼る。

あるあるw

OEMパーツとか部品集めてパッケージにした物とか。

ebayとpaypalがあれば10年戦える。

優勝やな!

ということで、朝から会社に出社し(誰も居ない)、PCから部品注文。

2週間もすれば届くだろう。

今回は作業工賃分解組立パーツ手配で850円。

大好きな高井田ラーメンで戴きました!

真夏の船内、暑いし汚れるし・・・

でもブログネタを貰えると思えば有難い話ですわ。

それにする事無い時に「何か出来る」ってのが一番うれしい。

する事無くなったら・・・家帰ってアマプラ見ながら飲むしかない訳で。

今回の件、不幸中の幸いは港の中で分かったって事。

クルージングの最中だと大変でしたよ。

乗っても乗らなくても船は手が掛かる。

これは本当に間違いない。

それを楽しみと思えれば、船がある生活は潤うよね。

嫌いな人も居るけれど。


さて、兄者からの質問で「何年持つやろ?シャフトとギア」

答「2年に1回バラしてベアリング交換すれば半永久かも」

僕的にはステンレスベアリングかセラミックベアリングにしたい所。

セラミックベアリングなら海水が掛かろうが何ら問題なし。

でも高い(笑)

メンテナンス個所として2年に1回は解放してベアリング交換とグリスアップ(耐水グリス)が効果的じゃないかと思います。

続く